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2024/06/12

元養豚農家が築き上げた「松阪豚」継承/一人でも多くの人に【ネットワーク東海6月2週号】

日本三大和牛「松阪牛」の産地・松阪市で生まれた「松阪豚」の生産を引き継いだのが、地元の豚精肉販売店「まつぶたピッグファーム 松阪豚専門店 まつぶた」。母豚37頭を飼育し、年間500頭出荷する。元養豚農家の山越弘一さんがつくり、大切に守り続けた松阪豚を生販両面で多くの人に伝え、次代に残そうと取り組んでいる。
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松阪豚とは松阪生まれの良質な豚を厳選し、山越さんがつくり出した「LWDヤマコシオリジナル三元交配豚」。「ランドレース」(L)と「大ヨークシャー」(W)を交配した母種に「デュロック」(D)を掛け合わせる。
植物性タンパク質のマイロと大豆を多く使い、免疫力を高める乳酸菌と酵母を配合した独自飼料を給与。合成タンパクなど加工された飼料を与えていない。
免疫力が弱い子豚の時に抗生物質も投与するだけで、その後は薬剤を投与しないという。ミネラルが豊富な鈴鹿・大台山系の地下水だけを飲ませている。一般的な豚は180日齢で出荷するが、松阪豚は220日齢以上飼育してから出荷する。
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同店オーナーの橋本妃里(はしもとひさと)さんが山越さんから施設と技術、思いを引き継ぎ、生産を始めたのは2022年。「不思議な話で、別の地域で掛け合わせや飼育の条件を同じにしても全く異なる豚に育ちます。水と緑に恵まれた松阪の風土が飼育に影響しているのは間違いないです。松阪だからこそできるのです」と話す。
見た目が美しく、弾力のある桜色の肉は、松阪牛と同じようなささめ雪のように細かいサシが入っている。脂肪融点が松阪牛と同じ約17度で、手のひらにのせておくと体温で溶け出す。じっくりと熟成するため、栄養価が高いという。
橋本さんによると、違いが分かる食べ方が“しゃぶしゃぶ”だ。血が固まり浮き出ることはあっても、あくが極端に少ない。必要最低限に抑えたワクチン接種と肥育ホルモン剤不使用が大きく影響しているという。
甘みとうまみが強いが、豚肉らしいあっさりした味を併せ持つ。「初めてステーキを食べた時『松阪牛なの?』と勘違いしたほどでした。甘みも脂ののりも、これまで食べてきた豚肉と全く違います。店の運営を決めたのも、松阪豚で覚えた感動を伝えたかったからです」と橋本さん。「このおいしい豚を一人でも多くの人に食べてもらいたい。そして地元・松阪を盛り上げていきたい。いろんな思いを呼び寄せてくれる松阪豚を本当に大事にしたいですね」と話す。

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