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2022/08/10

農業と教育 つなげる【ネットワーク東海8月2週号】

面白さや栽培過程を知って

津市野田の久保伸嘉さん(47)、孝子さん(48)夫妻は水稲と麦12㌶を栽培する「くぼちゃんファーム」を経営する。「代々続けてきた実家の米作りを守りたい」という孝子さんの思いから、夫婦で昨年引き継いだ。「普段学校では、できないような教室をやりたい」と久保さん夫妻。今年から子供たちと苗代から米作りに取り組む「田んぼの楽好(がっこう)」を開く。

久保伸嘉さん(写真右)と孝子さん

教え子に書いてもらった「くぼちゃんファーム」のロゴ

2年前まで小学校教諭をしていた伸嘉さん。教諭になって24年ほどたった時、孝子さんから義父の話を聞いた。「教師という職業は大好きで、この先も続けていくつもりだった」と伸嘉さん。「義父の話を聞き、自分の子供たちが楽しそうに籾(もみ)すりを手伝っていたのを実際に見て、こういうのもいいな」と感じたことが、就農のきっかけだ。
義父が高齢で離農を考えていたところ、夫婦で経営を継承した。教育に関わっていたいとの伸嘉さんの思いから、2年前に「まなびや『てぃーだ』」を立ち上げ、学習と将棋の2教室を定期的に開く。
農業でも子供たちと何かできることはないかと考えていた時「機械を使わない昔ながらの米作りをしたら面白いんじゃないか」と思ったという。そこに、自然農法を取り入れている知り合いから「苗代作りから米作りをやってみないか」と声が掛かり、津地域農業改良普及センターの普及指導員も手助けしてくれることになった。
その後、検討を重ね、子供たちと水苗代から米作りを行う、まなびや「てぃーだ」の特別教室・田んぼの楽好を開いている。播種、代かき、田植え、除草、土作り(堆肥散布)、稲刈り、脱穀と7回に分けて子供たちと作業を実施する予定だ。
「離農が進む中、農業に触れる機会が少なく、農家を志す子供も少ない」と伸嘉さん。「田んぼの楽好の経験を通して、農業の面白さや、身近なお米ができる過程を知ってもらい、少しでも今の農業の光となればうれしい」と話す。
◎来年の開催に意欲
今後はコミュニティーを広げ、田んぼに人が戻り、にぎやかな場所にしたいという久保さん夫妻。稲の収穫まであとわずか。台風などの災害も無く無事に収穫し、羽釜で炊いた米を子供たちと食べることを楽しみにしている。
来年以降も田んぼの楽好は継続したい考えで「農業と教育」をつなげていく取り組みに意欲を示す。

幼児から高齢者までたくさんの人が参加した田んぼの楽好

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