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2025/04/11
自家産「ミルキークイーン」で団子/松葉弘樹さん・いなべ市【ネットワーク東海4月2週号】
店舗開店を実現
松葉弘樹さん(58)は、いなべ市北勢町で米作りをしながら、団子店「弘福舎(こうふくや)」を営む。元JA職員で42歳の時に水稲農家へ転身し、作付面積を約3㌶から約10㌶に拡大。現在、主食用米約18㌶と飼料用米約2㌶を栽培しながら、NOSAI部長も務めている。
山間部のため、獣害が深刻で、より被害の大きい麦・大豆に転作せず、米作りに専念。その一方で、加工品として餅やかき餅を製造し、農閑期にはキッチンカーによる団子販売を始めた。昨年11月、長年の夢だった実店舗を開店。現在は金・土・日・祝日に営業し、春休みや夏休みなどの長期休暇は店を毎日開く。キッチンカーも引き続き活用し、地元のイベントにも出店する。
団子の原料は自家栽培の米だ。品種は冷めても軟らかい食感が続く「ミルキークイーン」。米粉100%の生地を松葉さん自らが手作りする。団子は注文を受けてから焼き始め、まず白焼きし、しょうゆを付けて2度焼き。その後、しょうゆ、甘辛タレ、きなこの3種類で味付けする。焼き始めると店内には香ばしいしょうゆの香りが広がる。
米本来の甘みが評判
店にはリピーターも多く、市内の農家・田尻さんは「ここの団子はお米の味がしっかりしていておいしい。水が奇麗で寒暖差のあるこの地域は、米作りに適した土地」と話す。団子は、もちもちとした食感とともに、米本来の甘みが感じられるという。
店内では、かき餅や季節限定の餅も販売。これらの商品は市内の農産物直売所「ふれあいの駅うりぼう」やJA直売所「いなべっこ」でも取り扱っている。手作りの品々は、地元の人々だけでなく、遠方から訪れる客にも好評だ。
「自然を満喫しながら、おしゃべりを楽しみに来てほしい」と笑顔で話す松葉さん。どんな商品を提供するか試行を重ねながら、将来的にはチェーン展開も視野に入れているという。
〈2025年4月2週号 東海版〉
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