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2025/03/28

米・麦・大豆栽培にみそ造りも【ネットワーク東海3月4週号】

米・麦・大豆栽培にみそ造りも/次世代につなぐ/(農)キタコマツファーム・三重県四日市市

 【三重支局】「これから継いでいく人たちがファームを維持していきやすい環境づくりを目指しています」と話すのは、四日市市北小松町の農事組合法人「キタコマツファーム」の堀川宜典(ほりかわよしのり)代表理事(75)。組合員58人からなり、米1048㌃と小麦1145㌃、大豆906㌃を栽培する。さらに、北小松産米と大豆を使ったみそ造りにも取り組む。
◆◇
 堀川代表理事は、大手自動車製造会社を退職後、初代代表理事と共に組合員としてキタコマツファームを支えてきた。2012年に3代目代表理事に就任し、現在12年目となる。
 北小松町では農家の高齢化などにより、地域内の水田に耕作放棄地が増える兆しが見られたことから、基盤整備事業を実施。1997年に北小松土地改良区を設立し、97年に基盤整備が済んだ水田で水稲の作付けを開始した。
 2006年には「地域が一体となって農地を守っていく体制」として、営農組合を法人化。農事組合法人キタコマツファームを設立した。また「緑ゆたかな北小松をまもる会」の一員として自治会や農家組合、長寿会、レディースクラブなどと交流を深めている。地域の美化活動や3世代交流水田、親子芋掘り体験、ゲンジボタル観察会などにも取り組み、農業だけでなく地域全体の振興にも大きな役割を果たす。
 3世代交流水田では、児童が長寿会の指導の下で米作りを行う。苗の手植え、鎌を使った稲刈り、足踏み脱穀機による脱穀など旧来の農法も体験することで、農業や環境保全の大切さを学び、文化を伝承している。
 これらの幅広い取り組みが評価され、20年11月には「豊かなむらづくり全国表彰事業(東海ブロック)」で東海農政局長賞を受賞した。
◎笑い絶えない環境で女性部が仕込み
 キタコマツファームでは、笑いが絶えない明るい環境でみそ造りが行われている。堀川代表理事と女性部のメンバーで、米こうじみそ「北小松そだち」を仕込む。温度管理をしながら造った米こうじ、大豆、塩を混ぜ合わせてミンチ機にかけ、空気抜きをしながらたるに仕込み、貯蔵庫で熟成する。
 「基礎をつくってくれた先輩たちの苦労と、周りの人たちのおかげで今に至っているので、このみそ造りも含め、若い人たちへ伝承していきたい」と堀川代表理事は話す。今後は地元住民でなくても、男女を問わず「農業を経験したい」という人をどんどん受け入れていく考えだ。
〈2025年3月4週号 東海版〉

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