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2025/02/17

伝統野菜「松阪赤菜」を復活【ネットワーク東海2月2週号】

後継者育成に注力/伝統野菜「松阪赤菜」を復活/杉山喜代子さん・松阪市
松阪市を代表する伝統野菜「松阪赤菜」を復活させた同市大阿坂町の杉山喜代子(すぎやまきよこ)さん(80)は、代表を務める「紅(くれない)工房」の仲間と共に、栽培と加工に取り組んでいる。
 松阪赤菜は、鮮やかな赤紫色の根と葉の軸が特徴的な冬野菜。葉は柔らかく食べやすい一方で、根はしっかりとした食感を持ち、古くから地元の食卓を彩ってきた。 
 戦国武将・蒲生氏郷が近江国(現在の滋賀県)から松阪に伝えたとされ、江戸時代の国学者・本居宣長も食べた記録が残る。長い歴史を持つ松阪赤菜だが、作付農家の減少で流通が一時途絶えてしまった時期もあった。しかし、2001年に三重県科学技術振興センターで保管されていた種を、漬物に向く野菜を探していた杉山さんがJAを通じて手に入れ、栽培を復活させた。
 地元の名産品・松阪牛を扱う老舗店などで漬物として提供されるなど、今も多くの人に親しまれている。16年5月に開催された伊勢志摩サミットでは、特別栽培された松阪赤菜の漬物が世界の要人たちに振る舞われた。
 「特に人気なのは塩漬けで、ぬか漬けや酢漬けもあります」と杉山さん。サラダやおひたし、炒め物、チャーハン、おにぎり、肉料理など幅広い料理に適しているという。また、学校給食にも使われ、市内の小学校では栽培の指導が行われている。
 現在、紅工房のメンバー約10人が合計40㌃の畑で栽培。杉山さんは採種も手がけ、技術の継承に力を注ぐ。杉山さんは「栽培者は育ってきましたが、漬物加工の後継者がまだ見つかっていないことが課題です」と話す。

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