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2024/10/10

農でみんなを笑顔に【ネットワーク東海10月2週号 トップ】

名張市で農場「オーガニック農尊(のうそん)」を営む上高原由佳(かみたかはら ゆか)さん(42)は、2020年に大阪から名張市へ移住し就農した。同市の農家・伊藤傳一(でんいち)さんを師匠と仰ぎ、米作りを通じて「農・食・医」について教わる。自分自身の生き方の改革から始めた農業が、今では“地域の健康志向”を支える重要な活動へと発展している。

 

上高原さんは36歳の時に内臓疾患を患い、食事療法で徐々に体が回復した経験を持つ。「農家になり、農を通じて人を体の内側から笑顔にしたいと、その時に強く思いました」と話す。
食欲だけがなかなか回復せずに悩んでいた時、友人が“農薬不使用米のおにぎり”を握ってきてくれ、あまりのおいしさに「これだ、農薬不使用の米作りをしよう」と決心したという。
復職後、仕事の休みを利用して、岡山県真庭市で行われている「真庭なりわい塾」に参加し、昔ながらの暮らしや農山村の新たなライフスタイルなど、農業に関わる内容を幅広く学んだ。その後、塾生仲間を通じて、同市で農薬不使用の米作りに取り組む伊藤さんとの縁がつながった。
上高原さんは名張市へ移住後、約70㌃の農地を借りて米作りをスタート。「伊藤さんには、トラクターの乗り方から土地の耕し方まで、本当に初歩的なところから教えてもらいましたね」
雑草と闘いながら手探りで始めた米作りは、初年度から無事収穫までできたが、納得のいく仕上がりにはならなかったという。
翌年は栽培計画をしっかり立て直し、除草方法を見直した。こうした改善策が奏功し、自信を持って出荷できる仕上がりになった。
現在は規模を拡大し、100㌃の土地で農薬不使用米に加え、農薬不使用のニンニクを育てている。化学農薬・化学肥料不使用をベースに、肥料などもできるだけ自分のところにあるものや地域のものを使用している。「土が持つ本来の力を生かして、圃場ごとに栽培方法や除草方法、品種を決めています」と話す。

 

収穫物は独自の販売サイトを通じて直売する。このサイトには上高原さんの農業に対する姿勢や思いが書き込まれている。「心にも体にも地球にも優しいお米を選んでくれた方に、“うれしいイタズラ”を届けたいという思いから店名を『カミノイタズラ』としました」と話す。
圃場では種播き・田植え、稲刈り、餅つきなど季節ごとに農業体験イベントを開催している。地域の人だけでなく県内外からの参加があり、持続可能な農業を広めていく考えだ。「未来の世代にも安全でおいしいお米を提供し、一度この土地から離れても、またこの場所(名張市)に戻ってきてくれたらうれしい」と上高原さんは笑顔を見せる。

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