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2024/06/26
地域農業振興の中核担う/高齢者や女性活躍の場提供【ネットワーク東海6月4週号】
伊賀市猪田大東地区では、地元自治会と「農事組合法人大東営農組合」が中心となって作成した「大東将来展望計画」に基づき、全農家参加による地域農業の活性化に取り組んでいる。
この計画は、女性8人を含む30~70代の代表者28人により1年5カ月かけて話し合い策定されたもの。福祉や防災、環境保全などについても取り決められ、同営農組合が農業振興の中核を担う。
価格高騰や異常気象など厳しい状況になろうと「逆境の中でも持続可能な方法を考えていきたい」と話す、同営農組合の前川清(まえがわきよし)代表理事(70)。米麦約31㌶を栽培する以外に、農業経験のない女性や高齢者に活躍の場を提供するため、タマネギやナバナを導入した。同営農組合の女性部が栽培管理と出荷調製を担当する。
さらに景観植物としてナタネを作付け。地元企業の大山田農林業公社と協力し、搾油した「七の花エクストラバージン菜種油」を地区全70世帯に無償配布している。
収穫祭や田植えイベントなども開催。地域住民だけでなく、県内各地からも多くの人が集まる。これらの活動が評価され、新しい農業経営や地域農業の発展に貢献した個人・団体を表彰する「第83回中日農業賞」の特別賞に輝いた。
「どうしたら地域が元気になるだろうかと常に考えている」と前川代表。「農業に関わりがない人たちの関心を得るためにはどうすべきか。代表に就任してから7年。“原点回帰”し、これまでの取り組みを今一度見つめ直し、地域活性化と人材育成に焦点を当てた第二のプロジェクトへと進んでいきたい」と力を込める。