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2024/04/12

〝高濃度は味、大玉は収量〟/2本柱のトマト戦略【ネットワーク東海4月2週号】

木曽岬町の「伊藤農園」3代目・伊藤達郎さん(33)は、父・知己さん(60)、母・友子さん(60)、弟・佑亮さん(31)と共に、祖父の代から続く米とトマトの栽培に力を入れる。
三重県農業大学校を卒業後、実家で就農。その後、園芸施設機器メーカーの株式会社誠和が運営するトマトパークアカデミーで最新技術から経営まで実務に関わる多くのことを習得した。また、アカデミー卒業後に農林水産省の産地生産基盤パワーアップ事業を活用し、同社に相談しながら最新のハウス35㌃を建てた。佑亮さんと試行しながらも初年度から、全国平均10㌃当たり収量の約8倍の50㌧を挙げた。
味を追求するトマト〝とまリッチ〟は、土耕栽培で、灌水(かんすい)量を抑えて糖度を高める。養液栽培に比べて手間がかかり、収量は取れないが、糖度8度以上の濃厚な甘さと肉厚な歯応えが魅力で大人気だ。とまリッチの名付け親は、鈴木英敬元三重県知事。「食べてもらった人にリッチな気分になってもらいたい」との思いが込められている。
収量を追求する〝大玉トマト〟はオランダ製の軒高5.7㍍の高軒高施設で栽培。ロックウール培地で養液栽培し、ハウス内の日射量や気温、灌水量、二酸化炭素濃度(CO2)などの制御は機械で行っている。「数値にとらわれず、植物を見たり触ったりすることが一番大切」と達郎さんは話す。
味と収量はどちらも重要で、両立が難しいという。そのため〝高濃度トマトは味、大玉トマトは収量〟と二つの柱を持つ経営戦略で挑む考えだ。
今後について達郎さんは「温暖化による生育不良が心配なので、今年は高温対策にミストの導入を検討中。10㌃収量60㌧を目標とし、将来的には、面積も50㌃くらい増やしたい」と話している。

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