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2023/11/08
若手育成に力未来の産地へ【ネットワーク東海11月2週号 準トップ】
「若い人たちが『マイヤーレモン』で安定的に生産ができる実績をつくれば、もっと生産者が増え、町も活気が出る」と話すのは、はぎファーム・萩野進也さん(69)。紀宝町でマイヤーレモン70㌃を栽培する。
元々、レモンに興味があった萩野さんは友人から一緒に始めようと誘いがあり、マイヤーレモン作りを決意。当時は生産者が周りにおらず、独学で栽培し始めた。
「最初は右も左も分からない状況だったが、ミカンを育てるのと似ている。マイヤーレモンは管理がしやすい」と話す。ミカンは鳥獣害や虫害があり、農薬の散布がとても大変だが、マイヤーレモンは鳥獣害や虫害の被害がほとんどない。農薬散布の量は少なくても育つ。
取れたては皮ごと食べられ、皮が薄くて、果汁が多く、ビタミンCが豊富だ。
オレンジとレモンが自然交雑した品種で、10月に出荷を開始。11月までは皮の色が緑色だが、その後は黄色、1月ごろにはオレンジ色に熟していく。完熟すれば味はまろやかで、酸味はあるが、後から甘みが出て食べやすい。
レモンよりも食べやすいことが全国に広まって地元の農家だけでなく、移住して生産する若い人も増えてきた。安定して、より生産できるよう萩野さんら生産者は「農事組合法人紀宝マイヤーレモン生産組合」を設立。ジュースやデザートなどの6次産業化にも力を入れ、今では有名洋菓子店から注文を受ける。
加工する際に余った皮を有効活用できないか検討している萩野さん。「少しでも無駄がなく、多くの人たちに味わってもらえるようにしたい」と話す。若手の育成にも力を注ぎ、未来の「マイヤーレモン産地」形成に向け、ノウハウを継承させていく。
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