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2024/11/22
より高品質なトマトを【ネットワーク東海11月2週号 準トップ】
木曽岬町の服部達哉(はっとりたつや)さん(36)はトマト農家の3代目として、父の代から行う土耕栽培20㌃と、養液栽培31㌃に取り組む。
就職して間もない24歳のころ、父・芳典(よしのり)さんが亡くなったため、塾の講師を辞めて就農した。県内最大のトマト産地・木曽岬町に長年、貢献してきた父に向け「いつか継ごうと思っていたし、先代から受け継いだ土地を守りたいと思った」と達哉さんは話す。
栽培の手順や管理作業を母の博美(ひろみ)さん(61)から学び、近隣のベテラン農家たちに支えられながら、トマト作りに日々励む。「父の知恵や地域の豊富な経験を生かしつつ、新しい技術も取り入れていきたい」と、農家を始めて6年目の2017年に〝高軒高(こうのきだか)ハウス〟を建てた。
周囲のビニールハウスよりも背の高い造りのため、広い栽培空間を確保でき、トマトを高くつるすハイワイヤ栽培が可能になった。採光性が高く、ハウス内全体に太陽光が行き届き、とても明るく奇麗な環境で作業ができる。ロックウールを使用した養液栽培。品種に合わせてハウスを使い分ける。
一方、農業の働き方にも目を向け〝ワークライフバランス〟が重要だと考える。昔は、全ての作業を自分たちだけで行っており、子供を親に預けて働いている農業者が多かった。達哉さんは結婚して子供ができた際「できる限り子供と過ごしたい。農業と子育てをうまく両立していくことで、農業を魅力的だと思う若者が増えるのではないか」と考える。栽培管理や自動化技術をうまく取り入れていき、人手が必要なトマトの状態確認や細かい作業をバランス良く配分していく考えだ。
「より高品質なトマトの栽培に努め〝木曽岬ブランド〟の認知度を高めることが目標」と展望を話す。