広報印刷物
最新情報をお届け
2024/10/30
コロナ禍の収入減の支え【ネットワーク東海10月4週号 特集号】
色鮮やかな西洋野菜を自然農法で育てて販売しているのは、鈴鹿市伊船町の「無農薬農場 近藤けいこ ナチュラルベジタブル」を営む近藤啓子さん(64)。年間500種類の野菜を栽培していて、年中切れ目なく収穫、出荷を行う。
現在は「西洋ナスの王様」と呼ばれソテーすると豚肉のような味と食感が楽しめるイタリアナスの一つ「ローザビアンカ」や、切り口が星形のオクラ「ラヴィレージ(星オクラ)」、皮が柔らかく苦みの少ない「フルーツピーマン」などが旬を迎えている。
結婚を機に農業を始めた近藤さん。義父母と一緒に農薬を使わずに野菜を作っていたが、両親が高齢になり、規模縮小したことをきっかけに新たな野菜作りを考えた。イタリア・フランス・スイス・ドイツ・ベルギーなど約10カ国もの国へ農業研修に行き、たくさんの珍しい野菜に出合った。そこで分けてもらった種を、自家採種しながら現在も大切に使っていて、近藤さんは、「“あの時教えてもらったお野菜だわ”とその国を思い浮かべながら育てるのも楽しい」と笑顔で話す。
野菜は、通販サイトや地元の直売所で販売するほか、全国の有名レストランや地元の飲食店に納品する。それぞれのシェフからの要望に応えているうちに、種類が増えていったという。
2021年からは、地区の耕作放棄地を活用し、野菜栽培の体験活動「地域の有機野菜作り教室」を立ち上げて現在も継続している。「若い方に有機農業を広めてほしいので、これからも教室に携わっていきたい。食育のためにも、子供たちが喜ぶようなカラフルな野菜を使ったお弁当作りに役立ててもらいたい」と浸透を図る。
近藤さんを慕って地元の女性たちが集まっていて、女性の働く場を増やすことに意欲的な近藤さんは、柔軟な勤務体系を取り入れている。
収入保険は、コロナ禍で契約レストランなどが営業を縮小し、収入が減少した際にとても助かったという。「大切な従業員の生活を守ることができて本当に良かった」と振り返る。
一覧に戻る