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2024/02/20

かんきつ園の農薬散布省力【ネットワーク東海2月2週号 準トップ】

御浜町の三重県農業研究所紀南果樹研究室では、軽トラックの荷台に動力噴霧機などを取り付けて、乗車したままかんきつの農薬散布ができる「アタッチメント式防除機」を開発した。かんきつ類を栽培する農家から、スピードスプレヤー(SS)よりも安価で簡単に操作できるものがないかと意見が出たことが開発のきっかけ。
既存の動力噴霧機と市販の部品を利用することで、安く製作した。軽トラックが通れるスペースがあれば、広い園地でも今まで負担が大きかった農薬散布の省力化が可能だ。
荷台にタンクとバルブの遠隔操作コントロール装置、動力噴霧機を積載。凹字形の両側面にブームノズルを設置したアタッチメントフレームを、荷台後方にある荷物の落下を防ぐ板状の後アオリに取り付けた。最下部のノズルは地上約50㌢に設置し、30㌢間隔でノズル3種類計7個を配置。片側約6㍍の範囲に散布可能だ。アタッチメントフレームは取り外しができる。
現地試験では、10㌃当たりの防除時間が約9分。手散布と比べて約8割削減した。果実の外観や等級は手散布と遜色なく、同等の効果が期待できるという。
開発に携わった同研究所紀南果樹研究室の鈴木孝明総括研究員兼室長と紀南果樹研究課の荒巻幸子主幹研究員兼課長は「かんきつ産地では担い手の高齢化が進んでおり、今後産地を維持していくために役立てばうれしい」と話す。
既に販売されているが、農家への普及が進んでいない。軽トラックが通れるスペースを確保するため、園地の整備などが必要なことが課題だという。鈴木室長は「改良をさらに重ね、もっと使いやすい装置にしていきたい」と話す。

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